土壌医検定2級合格体験記〜初受験の私が合格するまで〜

農業に関連する資格や検定が限定的ななか、最近は土づくりにフォーカスした土壌医検定がよく聞かれるようになりました(私の周りだけでしょうか?)。

協力隊の先輩で現在開発コンサルで働かれている方も、昨年1級を取得したと言っていました。
就活サイトを見ていると、「土壌医検定を持っていたら優遇する」というような表記をみたことがあります(けれどもどこで見かけたのか忘れてしまいました…)

私は先日初めて「土壌医検定」の2級を受験し、なんとか合格することができました。

※「土壌医検定」についてまだ知らない方は、以下のページを参照してみてください。
簡単に言うと、適切な「土づくり」や「作物栽培」に関する知識を測る、日本土壌協会が提供する民間資格です。
土壌医検定とは(一般財団法人日本土壌協会主催土壌医検定試験公式サイト)

土壌医公式ページによると、今回私が受験した2級は「土づくりマスター」であり、「土づくりに関しやや高度な知識・技術を有するとともに、土壌診断の処方箋を作成できるレベルにある者」ということのようです。
しかし、試験の合格点は取れても自分が「土作りマスター」だなんてとっても言えません。。。
まだまだ勉強が必要であることをさらに痛感しました。

 

今回は、私がその2級の合格をどうやって取得したか、攻略方法について簡単にまとめてみます。

今後受験を検討している方にとって何らかの参考材料になれば幸いです。

土壌医検定2級の難易度はどのくらい?

土壌医検定2級の問題は、高校の化学Ⅰの基本知識(特に酸化還元反応、酸とアルカリ、化合物名)と、土壌学の基礎(土壌の種類や物性)、野菜や果樹各品種の栽培特性や管理等の栽培学の基礎、肥料(堆肥)、といった幅広い範囲から出題されます。

私の予備知識について触れると、学部時代は農学部のような理系の学部在籍中に土壌学の基礎をかじっています。
高校の化学も得意ではなかったですが履修済みです。
また、実家の農業を幼少期から手伝っていました。

農学部のような学部を出た私でも2級の問題は決して容易ではありませんでした。
土壌医検定の問題は、より具体的なシチュエーションで適切な判断が問われるため、これまでの勉強とはまた違った対策、特に実学に基づいた幅広い知識が必要でした。

試験は60問の4者択一形式で、40問以上の正答で合格になります。
ご想像のとおり、見直ししたり悩んだりする時間はほとんどありませんので、反射的に回答を選ぶこと、つまり問題に慣れていることが求められます。

例年の合格率はだいたい30%程度です。
決して難しい試験ではありませんが、対策していないとまず合格はできないことをこの数字は示していると思います

私の個人的な手応えとしては、毎日2〜3時間、それを1ヶ月継続すれば合格点を取れるのではないでしょうか。
もし高校の化学や土壌学基礎、また農業のことを全く知らない場合はもっと時間が必要になるかと思います。

私が行った試験対策

準備したもの

私は2級対策テキスト3級対策テキスト過去問集2冊を購入しました。
公式ページ、またはメルカリから購入可能です(高いです。。。)

3級も未受験なため、最初は3級のテキストから読み込もうと思い購入しましたが、結局無駄に終わりました。

特に重要なのは、過去問集です。
既に前提知識がある方は、テキストは不要だと思います。
過去問集に簡単な解説とともに要点が整理されているためです。

それと、問題を解いて解説を記述するためのノート1冊、あとは色ペン各種付箋です。

購入したテキストと過去問集

対策の流れ

私が行った対策の流れは以下のようになります。

①3級のテキストを一読する(しかし1/3あたりで挫折)⇦不要
②問題集(2015〜2017年度の過去問)の2級問題を単元やテーマ毎に解く
③②の回答を確認し、不正解箇所にマーカーを描く
④マーカー箇所のうち重要な点(他の問題にも共通する基本的な点、記憶すべき特殊事例等)や、問題の4つの選択肢でわからない箇所があるものを解説やテキストで確認し、ノートの端に整理(後ですぐ見返せるように)
※②③④を全ての単元分行い、一冊を終了する(1回目)
⑤問題集(2012〜2014年度の過去問)でも②③④を行う
⑥問題集2冊を再度解く(2回目)
⑦間違えた箇所にマーカーを描き、④で見落としていた重要な点を再度ノートに整理する
⑧間違えた問題のみ解き直す(3回目)
⑨2回以上間違えた問題や自信がない問題に付箋を貼る
付箋の問題と、整0理してノートにまとめたものを確認し、試験当日までに暗記する(4回目)

上の中で重要な点は、「問題を解く→解説を確認」の繰り返しで問題の傾向を掴みながら記憶を確実なものにしていくことです。問題をベースに勉強していきます。
間違っても、テキストを最初から読んで全て覚えようなんてことはしないようにしてください。
私もやりましたが、そこまで集中的に時間が確保できないために、インプットした断片的な記憶はほとんど定着しませんでした。
途中で放り出してしまうのがオチです。
土壌医検定の過去問集を解くことでインプットとアウトプットを同時に行い、問題に慣れ、知識を使いながら蓄えていく方が格段に近道だと思います。
最後は試験当日までに付箋箇所を一つ一つ潰していってください!

間違いのマークと付箋

試験当日の手応え

試験を終えた時、合格した自信は75%くらいでした。
「まあ大丈夫かな、でもマークミスや読み間違いがあったら危ないな」という感じです。

上に書いたような対策だと、限られた時間の中で基本的な知識の定着を図ることができつつも、幅広い情報に触れることができないため、問題を見て「何だこれは!!!???」と心の中で声を出した問題が数問ありました。
また、思っていたより時間に追われることになり見返す時間がほとんどなかったのも不安にさせました。
おそらく私のように横着せずにテキストをしっかり読み込んでいれば、初見となる問題はなかったかと思います。

試験の「合格」を目的として勉強するのか、この機会を手段になるべく多くのことを吸収することを目指すかで、勉強の仕方は異なると思います。
私は前者だったのでこれでよかったと満足していますが、さらに勉強を続ける必要があります。

土壌医検定を受けてみて

受験に向けて勉強したことで、自信を持って「土壌について詳しくなった」と胸を張るには至っていません。
土壌に関する知識よりも、「こう考えたらいいのか!」「あ、そうなんだ!」という感動をたくさんもらいました。
記憶すべき名称や事象よりも考え方の方向性、土台的な部分、そして疑問があれば帰ってくるべき場所を得た気がします。

農業は多種多様、地域によっても大きく異なるのでその都度学ぶつもりでいることが大切です。
受験資格が得られたら更なる深みを目指して1級も受けたいと思います。

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